圆版解說
東京国立博物館
主任研究官
中村漢男
雪舟筆・山水図(国宝)
遠景をくっきり浮び上がらせ、対岸の突とした峰が続き、中景は水を配して水平線を横たえ、辻景の岩組の間を縫って曲径を通じ、行人を添えて遠近の距離を示す。
雪舟の遺作中これほどはっきりした視点を持つ山水
図は珍らしい。それまでの詩画軸形式にありがちな遠近法のあいまいさを避け、明確な風景描写に徹した作として、雪舟画境の進展と見られる。
ぼくしょうしゅうしょう
図上には牧松周省と永正四年一五〇七)の年記のあ
る了庵桂悟の賛があり、その賛詞によれば牧松も雪舟
生涯を追想したことが青かれ、庵はすでに雪舟没後、雲な庵を訪れ、悲しみの内に詠んだもので追加賛である。この図は雪舟の形見として雲谷庵に残されていた絶筆とも考えられ、貴重な作品である。
- 技法: 木版画
- 主題: 風景
- 額縁の色: 茶色
- 特徴: 山と海の景色、松の木、伝統的な日本の要素
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