小堀宗中が山の字を堂々とした隷書で、その下側に狩野勝川院が里山風景を墨絵で描き、【山里】という画題が付けられております。極札によると、本歌は「小堀蓬雪 狩野尚信」に依るもので、本作はそれを写したものと記されております。『山』の字左下に「宗中」印、画右側に『勝川法眼筆』として「素尚」「狩野」印が上下に捺されております。
極め札は表裏にそれぞれ『小堀宗中翁 狩野勝川院 山ノ一字 里之図(印)』『*小堀蓬雪 狩野尚信 名誉山里一軸之写 己丑(榮仲)』と記されており真筆ということが極められております写真⑦~⑧。
時代箱蓋表に『山里』と墨書されております。軸先は人工のものではなく天然の素材が使用されております*写真⑫~⑬。
描かれてから約160年経過しておりますので経年変化は多少ございますが、全体の調子は良好です。写真でご確認ください。
*小堀蓬雪~小掘政尹・権十郎・篷雪
寛永2年(1625)~元禄7年(1694)
*狩野尚信~江戸時代初期の狩野派の絵師。竹川町狩野家の祖。
慶長12年(1607)~慶安3年(1650)
絹本。時代箱。極札付属。
長さ117.5㎝ 幅69㎝(表装を含む)
▢小堀宗中(こぼりそうちゅう)
天明6年(1786)~慶応3年(1867)
遠州流8世。小堀政優(まさやす)宗中。御先手鉄砲頭。文政11年(1828)小身ながら幕臣に取り立てられて小堀本家を再興した。遠州流中興の祖といわれ、茶儀に優れたばかりでなく、茶道具全般の鑑識にも明るく、その鑑定、箱書になるものや好みの茶器が現在に伝わる。茶匠としても江州彦根藩井伊直弼の信頼を得る。
▢狩野勝川院雅信(かのうしょうせんいんただのぶ)
文政6年(1823)~明治12年(1879)
狩野派(江戸狩野)の江戸幕府御用絵師、旗本。代々幕府の奥絵師を勤めた木挽町狩野家の10代目で、最後の当主。幼名は栄次郎。号は勝川院、素尚斎。57歳歿。
【参考文献】
落款花押大辞典 淡交社
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