古代 ローマ帝国 218-224/5年 Julia Maesa デナリウス銀貨 NGC Ch XF Brushed (8229464-001) ローマ帝国史上最も影響力のある女性の一人、ユリア・マエサ(Julia Maesa, 160年頃-224年)を描いた貴重な古代コインです。ユリア・マエサは、ローマ帝国史上、最も権力を持った女性の一人です。彼女は皇帝カラカラの母ユリア・ドムナの姉であり、セウェルス朝の存続に不可欠な役割を果たしました。
217年にカラカラ帝が暗殺され、マクリヌスが帝位を簒奪すると、ユリア・マエサは故郷のシリア属州エメサに追放されました。しかし、彼女は莫大な富と政治的影響力を駆使し、マクリヌス打倒の陰謀を企てます。マエサは、亡き娘ユリア・ソエミアスの子で、当時14歳だった孫のウァリウス・アウィトゥス・バッシアヌス(後の皇帝エラガバルス)をカラカラ帝の隠し子であると軍団に宣言させ、反乱を扇動しました。
218年、マクリヌスは敗北し、エラガバルスが皇帝に即位。しかし、若き皇帝は奇矯な行動でローマの伝統的価値観と対立し、政治は混乱しました。この間、マエサは祖母として、また「アウグスタ(皇太后)」として、事実上の共同統治者として君臨し、帝国の実権を握り続けました。彼女の肖像が刻まれたこのデナリウス銀貨は、まさにその権力の証です。
エラガバルスの治世が破綻をきたすと、マエサは次なる手を打ちます。もう一人の娘ユリア・アウィタ・ママエアの子、13歳のアレクサンデル・セウェルスをエラガバルスの養子とし、後継者として擁立。222年、エラガバルスが殺害されると、アレクサンデルが皇帝に即位し、マエサは再び新帝の後見人として権力を維持しました。彼女は224年頃に亡くなるまで、その影響力を保ち続けました。
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